大地の子と私

山崎豊子さん、大地の子の取材から完結まで8年かかったそうです。1年やそこらではとてもかける内容ではないですね。本編を読んだあと、「大地の子と私」を市ヶ谷の文教堂でみつけ読んでいるところです。これから、大地の子に取り組む方は、こちらを先に読むのもいいんじゃないかと思っています。
日本人は、中国では本当にひどいことをしてきたようです。また、戦後残留孤児として中国に残された人たちも、一握りの人をのぞいては酷い人生を過ごされたようです。山崎さんも取材の間に、恥ずかしく、つらく、さまざまな思い出いたたまれなくなったことが何度もあったようです。徹底した取材を通して、「大地の子」に登場させたい人物像が決まってきます。彼らは、現実の世にいたわけではありませんが、小説の中ではインタビューに忠実に表現されているようです。
われわれ戦後の世代には想像もつかないことばかりであり、労改、文化大革命、中国の農村での生活、虐げられた孤児たちなど、大地の子で語られる話はまるで人にフォーカスをあてたドキュメンタリーのように展開して行きます。

『大地の子』と私 (文春文庫)

『大地の子』と私 (文春文庫)