白い巨塔

山崎豊子さんの大地の子 一 (文春文庫)つづき白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)を読んでいる。
渦中の人、堀江さんも獄中で「白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)」を読んでいると報道されている。
彼にとってのヒルズタワーは、巨塔ならず、虚塔であったのではないだろうか。

白い巨塔はドラマでも話題になっていたが、最初の作品も今回の物も見る機会がなかった。
山崎豊子さんの作品はどれとっても徹底した取材に裏付けられ、ドキュメンタリーを見ているような気分にさせてくれる。

さて、主人公の財前教授、最初は田舎から出てきたまじめな研究畑の人間のように描かれている。ところが、国立大学の教授になり、大学内、医学会の世界での政治に巻き込まれてゆく、財前自身もすすんで研究より政治に力を注ぐこととなった。また、財前の医療ミスにより死亡させた患者の遺族の告訴を受け、医療裁判の経緯がストーリーとなっている。

作品は、「白い巨塔」と「続白い巨塔」に分けて書かれているらしい。私が読んでいる文庫版では1巻から3巻までが「白い巨塔」、4巻と5巻が「続白い巨塔」となっている。

財前と里見の相対する医療の世界での生き方が描かれているこの作品、読者は2人のどちらの生き方に同調するのだろう。案外50:50ぐらいかもしれない、その辺もこの作品の興味深いところだと思っている。

白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)

白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)